デザインツールからコミュニケーションツールへ。変革を続けるデジタルデザインの世界 (株式会社日南)

デザインの世界は3Dデジタルデザインツールの登場により大きく変わりました。更に現在、デジタルデザインツールは新たな役割を担うようになっています。今回はデジタルデザインツールの今を株式会社日南クリエティブスタジオ、デザインディレクター猿渡氏にお聞きしました。

株式会社日南は高度なメカトロニクスエンジニアリング、デジタルモデリング技術などにより、製品開発業務をトータルにサポート。ワーキングプロトタイプや試作金型の製作、小ロット生産、企画からデザインまで手掛ける開発総合支援企業です。猿渡氏はかつて日産自動車株式会社デザインセンターに勤務。現在は株式会社日南クリエティブスタジオでディレクターとして、クライアントに合わせた様々なソフトウェアを使用しデザイン業務を行っています。

アナログからデジタルへ。デザイン環境の進化

まず猿渡氏が現在主に使用しているデザインツールについて聞いていきます。猿渡氏によると、現在主に使用しているデザインツールはモデリングにAutodesk社のAlias Speed Form、AliasレンダリングなどにVRED。自動車業界のデファクトスタンダードとも言えるAliasは、操作性やソフト間の連携性もよく迷わずこの選択となったそうです。
そもそも、猿渡氏がデジタルデザインツールを使い始めたのはおよそ20年前。1997年ごろからになります。それまでは手書きでデザインを行っていました。どちらかというとデジタルデザインに関しては否定的だったという猿渡氏。時代の流れと共にデジタルデザインツールを使うようになり、その可能性にのめり込んでいきました。しかし、当時はまだ自分用のPCなど十分に無かった時代。専任のCADオペレータがいて、デザイナーが使えるような代物ではありませんでした。猿渡氏は就業時間後にCADルームに入り操作をしていたそうです。今では各自に用途別に複数のPCやモニターが用意されるのは当たり前。手書でのスケッチはアイディアをメモする程度でほとんどがモニターでの作業に変わりました。


より濃密なデザインを実現させるデジタルデザイン

デジタルデザインツールの登場は、デザイン環境を大きく変化させました。猿渡氏は言います、「手書きの頃とはやり方が違う。手書きスケッチでは手癖というものがあって得意のアングルや好きなカーブを描きがちです。ブレイクスルーする為には色々なアプローチを試みたものです。それに比べ、デジタルツールを使う事によって3Dで色々な角度から見られるので、情報量が圧倒的に多く、新たな気づきに出会えるチャンスが格段に増大します。かつて手書きや2Dでデザインを行っていた頃は、デザイン画を元に模型を製作。アイディアの試行錯誤をクレイモデル上で時間をかけて検討しました。それがデジタルデザインツールにより、モニター上で確認出来るだけでなく、製作に関してもデータを元に3Dプリンタを使い短時間で出来るようになりました。以前では考えられない早さでデザインの確認が出来るのです。思考錯誤の履歴を残せるのもデータならではのプロセスです。
猿渡氏は「2Dから3Dデータベースの開発にシフトすることで、開発全体のフロントフォワードが可能になり、ダウンストーリームでの作り込みも十分な時間を確保できより洗練されたデザイン作業が行える。」と言います。デジタルデザインツールは完成品の質の向上にも役立つ事になったのです。

まとめ

デジタルデザインツールの登場により変わるデザインサイクル。デジタルデザインツールは今コミニュケーションツールとしての役割も出てきています。後半では猿渡氏により具体的なお話をお聞きします。