デザインスタジオの未来を探る~Automotive Launch Tour 2017(1)

オートデスク株式会社主催の『Automotive Launch Tour 2017』は、自動車OEMメーカーやデザインサプライヤーに向けたイベント。ここではツアーのうち、6月1日東京での模様をお届けする。

 

自動車産業におけるオートデスクの戦略

最初に登壇したのは、オートモーティブ・インダストリーマネージャーのジョン・ウォンジン氏。氏は、『自動車産業におけるオートデスクの戦略』について説明した。

これまでオートデスクは自動車デザイン分野において大きな存在感を示しているが、今後「設計」、「生産技術」と「マーケティング」分野でも力を入れていくとのこと。

デザインプロセスのデジタル化や消費者経験のデザインへのシフトなどデザイン業界が変わりつつあることから、今後自動車デザインスタジオにおけるプロセスや環境も変わっていく。
オートデスクでは、自動車デザインスタジオがこれからの変化に対応でき、よりよいデザインを生み出せるように支援していきたいとのこと。

なお設計について、自動車業界で用いられているCADソフトではなく、新しいテクノロジーを提案していきたいとした。

そういったテクノロジーのひとつが、Generative Designだ。今、設計者は、過去の経験などに基づいて作業を進めている。それに対してGenerative Designでは、設計要件や材料の種類、製造方法といった情報を入力、人工知能とクラウドの膨大な演算能力を使い、自動計算でいくつかの最適な設計を提案してくれる。
人間が考えられる範囲を超える答えを出してくれるものとして登場が待ち望まれているが、「既に製品化が決まっている」とのこと。

ウォンジン氏は、「デザインが我々のキーマーケットだがそれ以外のマーケティング、設計、生産技術でもソリューションを開発、提供していきたい」という言葉で締めくくった。

 

自動車デザインスタジオの未来

続いては、製品開発部門の責任者が登場。VREDのプロダクトマネージャーであるルーカス・フェース氏がVRED製品群を統括する立場から、デザインスタジオの未来形について語った。

フェース氏は自動車を含む製造業が自社と他社を差別化する3つの柱を、生産性、技術革新、その設計から販売までのプロセスと定義。それぞれ「新しい製造法、3Dプリンター、新しい材料」「電動化、自動運転」「VR」といったキーワードを示した。

Automotive Launch Tour 2017スライド02

自動運転については、いろいろな面があることを指摘。クルマに乗って運転しなくてもいいとなると、インテリアデザインを再考しなければならないし、搭乗者にどのような体験をさせればいいかをデザインする必要があるとした。
その後もさまざまな変革を挙げ、企業は「クルマを売ること以上に、モビリティをサービスとして提供するという形に軸足を移していかざるを得ないのではないか」とも語った。

デザインの現場では個人個人の要望に応えるため、より多くのデザインをより短期間で、より効率よく完成させなければならなくなっている。そこでは早い段階で実際に使う人、あるいはデザイナーが体験したうえで、その先へ進んでいくことも重要になっている。
そのために重要な技術がVRになってくるとし、AliasのVRとの連携などオートデスクの取り組みを紹介した。

デザインスタジオがより良いデザインを生み出す、それを支える3つの技術的なパイプラインとして、〝モデリング〟〝プロセス〟〝ビジュアライゼーション〟があると解説。
モデリングを担うAliasとビジュアライゼーションパイプラインの中心になるVREDの今後の取り組みについても説明した。

フェース氏は、「今大きな変化が起きているが、オートデスクもトレンドを踏まえ、皆様の役に立つ技術を提供し、良いパートナーでありたいと願っています」と締めくくった。

 

2へ続く)