IoTとデジタルデータ活用により工場を見える化。「第1回 名古屋 設計・製造ソリューション展(DMS名古屋)」SCSK出展レポート(後編)

「第1回 名古屋 設計・製造ソリューション展(DMS名古屋)」SCSK出展レポート後半では、工場の見える化を行うソリューション「VIRTUAL FACTORY」について、SCSK株式会社中部プラットフォーム事業本部営業第一部副部長伊神也寸志氏にインタビューした内容をお伝えします。

部門を越えてデータ連携。IoTとデジタルデータの活用で工場を見えるようにする


SCSK社の伊神也寸志氏

まずは伊神氏にVIRTUAL FACTORYの概要をお聞きしました。伊神氏は「工場にはさまざまなデータがある。3DCADデータ、2次元のレイアウト、保全の人が使うデータ、生産ラインの人が使うデータ。VIRTUAL FACTORYは、個人、部門で管理していたさまざまなデータを、部門をまたいで広範囲でデータ連携、活用していこうというコンセプトのソリューションです。」と言います。


VIRTUAL FACTORYは大きく3つの層に分かれています。まずデータを取得する層では、工場にある制御装置やモニターなど各種のIoT、FARO Laser Scannerなどの測定装置等により観察、測定、計測されて情報やデータが収集されます。さらに、Autodesk Inventorなどでモデリングされた3D、2DCADファイル、帳票、作業マニュアル等のさまざまなドキュメント類が作成されて収集されます。次に、データ統合化を行う層では、Aras Innovator等のPLMツール、Panzura等のクラウドストレージゲートウェイを用いて、データを取得する層で得られたさまざまなデータを集約して統合します。最後のデータの活用をする層では、3Dを用いた専用のビューワーでさまざまな情報やデータを確認し、Operations Intelligence等の解析ツールで得られた結果を各現場へフィードバックします。


伊神氏は言います。「今までは生産部門や、技術技術部門だけで持っていた情報をもっと下流や上流の人が見えるようにしていきます。同じ指示で同じように作っているのに一方の工場ではできるのに、もう一方の工場ではうまくできない。設計の人と生産技術の人の間で、お互いにどうやるのかわからない場合は多くある。設計の人が工場に行けばわかるのだが、海外に拠点があるような場合はすぐに行くというのも難しいことです。それを見えるようにする。例えば工程にネットにつながるカメラをつけるなど、情報を全員で共有できるようにしていくのです。」
収集される情報やデータはお客様ごとに違います。VIRTUAL FACTORYではお客様に合わせて3Dビューワーをカスタマイズし、データ取得ツールや解析のツールも必要に応じて追加、削除されます。PLMツールにおいても、オープンソースのAras Innovatorを使うことでイニシャルコストをかけず、スモールスタートが可能です。会社のサイズに合わせてVIRTUAL FACTORYを構築し、情報の連携性を高め、活用していけるのです。

大小を問わずグローバルな企業に求められるVIRTUAL FACTORY

伊神氏の担当する名古屋を中心とした中部地区では、部品なども含め自動車関係の企業が多く、お客様の9割は設計、生産技術、デザインなどの自動車関係の企業になるそうです。多くの企業が海外に生産拠点を持ち、国内のみの場合も何か所かに工場が分かれていることがあります。それらの企業では、既に3DCADなどの設計ツールは浸透していて、解析に関しても衝突や応力解析、材料強度などについては既にそろっている場合が多く、燃料電池の配合など化学系の解析にその需要は移ってきています。
「今はそれらのツールをどのようにいかすか、どのように共有させていくか。そのような段階に来ている。今回の展示では、工場は今後こうなるとのコンセプトで各ツール、VIRTUAL FACTORYを展示、説明した。」と伊神氏は言います。VIRTUAL FACTORYのようなソリューションにより、下流から上流まで情報の連携性を高め、トータルに製造をサポートしてもらう。大小を問わず、拠点間での意思の疎通が難しいグローバルな企業では今後そのような需要はより高まることが予想されます。また、海外や国内に多くの拠点がなくとも、企業間でも情報の連携性が高まることも予想されます。今後の動向に注目していきます。