幅広い業務を包括的にサポートするマルチなソリューション(フィアロコーポレーション・後編)

さまざまなAutodesk製品を幅広く駆使し、自動車など多様なデザイン開発をトータルで支援している株式会社フィアロコーポレーション。第一線を走り続ける同社の取り組みについて、デザイン開発センターで執行役員ゼネラルマネージャーを務める坂田建吾氏に聞いた。


デザイン、プレゼン、そして機構設計までトータルに活用

坂田氏「私達の仕事は、お客様の発注内容を基にアイデアを練り、スケッチを描くことから始まります」

顧客の指示は手描きしたスケッチや言葉による説明などさまざま。これに写真等の参考資料を添え、「こんな雰囲気」の「こんな質感」で「このパッケージに」と依頼されることが多いという。

坂田氏「仕上げたスケッチは、Aliasか『Alias SpeedForm』でとりあえず立体化します。角が立ったモノはAliasで面を貼って作りますが、シートなど柔らかいモノは Alias SpeedFormが使いやすいですね」

いずれにせよ、初期段階はスピードが最優先。少しでも早く形にして見せることに重点を置く。ここではAlias SpeedFormが威力を発揮する。

坂田氏「とにかく一刻も早くお見せして、お客様に方向性を判断していただくことが大切です。善かれ悪しかれ、判断をもらわないと先に進めませんから。そうやって素早く仕上げることで、お客様のクリエーションに出来るだけ時間をかけられるようにしたいのです」

顧客との〝キャッチボール〟は、頻繁に繰り返される。基本はCADデータでのやりとりだが、時にはCADに慣れない方とのやりとりも発生する。そこで必要になるのが『Showcase』などのプレゼンソフトや、『Maya』による3D CG、あるいは『VRED』などレンダリングツールで仕上げる多様なビジュアライゼーションだ。

坂田氏「近年は営業やマーケティングの方が関わるケースも増え、ビジュアル化が重要なポイントになっています。たとえばラフをShowcaseで見せ、次はVREDでレンダリングした美麗なCGで。そして重要度の高いプレゼンではMayaでムービーも作る、といった具合です」

さすがにムービーは専任のCGデジタルデザイナーが作るが、その他の作業については各デジタルデザイナーが自らAutodesk製品を駆使して一貫制作していく。

坂田氏「私達サプライヤーは多能化していくべきだ、というのが当社のスタンス。それに一気通貫で任せた方がデジタルデザイナーもしっかり責任を持てるし、モチベーションも上がります。ウチのデジタルデザイナー達など、最近はInventor Professionalまで使うようになっていますよ」

Inventor Professionalは機械設計専用の3D CADで、フィアロコーポレーションでは工場部門の設計者が使用している。一般的にはAliasユーザーがInventor Professionalを使うケースはほとんどないが、デザイン開発センターのデジタルデザイナー達はより良いデザインのため使い始めた。

坂田氏「ショーカーやイベントモデル、こだわりたいプロダクトでは、デザインした人間が『見える部分の稼働部も責任を持ちたい』と、自らInventor Professionalを使うわけです。 最近は絵を描いてAliasで立体化し、Inventor Professionalで機構も作り、そのまま加工に出すデジタルデザイナーもいますよ」

新たな取り組みのカギを握るAutodesk製品

このようにデザイン開発から製造部門への橋渡しまで、Autodesk製品をトータルかつ統一的に使い分けるようになり、作業効率は大きく向上したという。

坂田氏「他社ソフトを使っていた頃に比べ、作業時間は1/3程度に圧縮出来ていると感じます。しかし、目指しているのはあくまで効率化した2/3を使ってクリエーティブをどこまで深く突き詰められるか。ですから、トータルは変わってないかも知れませんね(笑)」

フィアロコーポレーションの新しい取り組み、たとえば自動車等のインターフェース関係では、今後Autodesk製品が果たす役割はますます重いものになっていく。

坂田氏「この春、当社では HMI(Human Machine Interface)の専門チームを立ち上げます。たとえば車載コクピットのモニタもTFT液晶ディスプレイになれば、そのビジュアル表現もより高度な 3D化やアニメーション化が求められるでしょう。Mayaなどの活用が非常に重要になるわけで、Autodesk製品の関わる部分がますます面白くなっていく予感があります」

坂田氏「その意味では、実はSCSKに期待する部分も非常に大きいのです。SCSKは販売会社の中でも、特に現場に近くて〝熱い〟人達というイメージがあります。サポートでも何でも私達と一緒にやっていこう、というスタンスなんですね。導入支援などのサポートだけでなく、〝これから〟のビジネスに生かせる幅広い情報提供を期待したいですね」